レディースホームFAQB.生理の異常〜出血に関するもの編

5.毎月生理の数日前から少量出血がある

 

 

 この場合は、まずホルモンバランスの問題だと思って良いでしょう。
 排卵後には、卵巣には黄体が形成されていますが、この黄体は妊娠が成立しない場合には自然に退縮します。通常は排卵後2週間ほどで退縮し、それに伴い黄体から放出されていたホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)も急激に減少してきます。
 この2種類のホルモンは、子宮の内膜に対して受精卵の着床に備えるように働いていますが、これらのホルモンが急激に減少することによって子宮の内膜が一気に剥がれ落ちることになります。
  これが生理(月経)という現象です。


 
 

          

 さて、心的ないしは肉体的疲労、あるいは加齢などが原因となって、卵巣から出ている2種類のホルモンの減少が通常より早めに起こるようになると、子宮の内膜も早めに少しずつ剥がれ落ちるようになります。ホルモンの減少の程度がゆるやかであれば少量ずつの出血となり、一気に減少すれば早めに生理が来たような形で出血を起こすことになります。

 
 

            

 これが、生理前から少量ずつ出血する原因です。  

 このような原因によって出血を起こすのは生理前に限ったことではなく、どの時期でもホルモンの急激な減少が起これば不正出血を起こす可能性はあります。特に、排卵期には自然に一時的なホルモンの減少が起こるために、他の時期よりも出血が起こりやすいといえるでしょう。
  

 なお子宮筋腫子宮内膜増殖症など、生理に異常をきたしうる疾患を持っている場合には、不正出血を起こした時に出血量が多くなったり(場合により血の固まりが出ることもあります)生理が始まる1週間前くらいからダラダラと出血が続くことも良く見られます。
 

 いずれにしても、出血の量が少量であれば心配いらない場合が多いでしょう。
 ストレスや疲労が原因となりうるものですから、そちらのほうを取り除くことで対処することの方が大事なことかもしれません。
 あまり出血が多い場合や血の固まりが出るなどの場合には、一度診察を受けられた方が良いでしょう。
  

  ■参考リンク
    ・生理以外に時々不正出血がある
    ・中間期(生理と生理の中間)に出血する
    ・ホルモンバランスを崩すって、どういうことですか?